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英語教育の意義?!(2015/12/28の記事)

現在、日本の多くの大学は英語教育に力を入れた教育改革の最中である。わたくしの勤務する京都大学(一般教育の半分をネイティブの英語教師による英語授業にする)は、その先頭を走っているといえるかもしれない。
 こうした動向の意義を論じるには、明治維新以降の150年間の英語教育の歴史(日本の帝国大学・旧制高校の授業における英語教育の水準は、おそらく現代のレベルよりも遙かに高かった。わたくしの研究分野について言えば、植村正久や内村鑑三の英語力は、日本の英語教育が生み出し得たものである)を前提に、日本と同様に英語教育を議論している世界各地の事例との比較を行い、さらに今後10年間程度の継続的な追跡調査を実施する必要がある。
 しかし、すでにこうした客観的なデータに基づいた、現在の日本における英語教育の動向に対する批判的な分析が存在している。英語教育万歳の論調のみが目立つ中で、冷静な議論のためにも、参照すべきではないだろうか。

寺島隆吉
『英語教育が亡びるとき 「英語で授業」のイデオロギー』
明石書店、2009年。

はじめに
第1章 英語にとって政治とは何か
  1 国際理解と英語教育
  2 メディア・コントロールと英語教育

第2章 「英語で授業」は教育に何をもたらすか
  1 「もうやめにしませんか」──朝日新聞「耕論」を考える
  2 英語教師の教育環境・労働条件・教員養成
  補節 「英語で授業する」を再考する──松本茂氏の意見に即して

第3章 新指導要領で言語力は育つか
  1 新指導要領に欠けている「誠実さ」と「人間への優しさ」
  2 「母語を耕し、自分を耕し、自国を耕す」外国語教育を 
  補節 偏向教育としての外国語教育

あとがき
参考文献(「記号研」関係一覧)

 注と参考文献が充実した論述であり、よく見られる狭い体験の一般化や単なる印象に基づく立論とは、レベルの違いが感じられる。反論は、これと同じレベルで行っていただきたい。
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本ブログでは、2016年度から(18年度まで)開始の科学研究費による研究「拡張された自然神学の具体化としての「科学技術の神学」─東アジアの文脈で─」に関連した情報を掲載してきましたが、今回、その内容を現代キリスト教思想に関わるものに変更することになり、ブログ・タイトルを「現代キリスト教思想の諸問題」に変更することにしました。しばらくは、具体的な掲載内容をめぐり方向を探りたいと思いますが、徐々に本格化させてゆきます。

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