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話題作から、問われる大学の存在意味(2016/3/29の記事)

 2015年度もあと数日になったが、今年度の大学をめぐる最大の話題の一つは、文科省による「文系学部廃止論」として報じられた問題であろう。わたくしは、文学研究科/文学部に所属しているが、まさに自分の存在意味が問われたということでもある。昨日(3月28日)に同志社女子大学を会場に行われた、日本基督教学会・近畿支部会では、午後に公開シンポジウムが行われたが、テーマは、現在進行中のキリスト教教育の危機であった。これと文系学部廃止論とは、根底で繋がった一つの問題にほかならない。危機は、多面的でありかつ包括的であり、これの外に立つ高等教育部門はほとんど存在しないであろう。明治以降の日本の基盤が教育・人間形成であったことを顧みるならば、これは、文字通り日本の危機と言うべきものである。

 こうした状況ににおいて、話題作として注目されているのが、次の著書である。問題を理解し、本格的な取り組みを行うために、一読しておきたい。

吉見俊哉
『「文系学部廃止論」の衝撃』
集英社新書、2016年。

第一章 「文系学部廃止」という衝撃
   1 瞬く間に広がった「文系学部廃止論」報道
   2 「通知」批判の背景にある暗黙の前提
   3 分離不均衡はいつから構造化?
   4 法人化後、ますます拡大する文理の格差
   5 「ミッションの再定義」のなかで文系の未来は?
第二章 文系は、役に立つ
   1 「役に立つ」とはいかなることか?
   2 「役に立つ」の二つの次元
   3 「人文社会系」と「教養」「リベラルアーツ」の違い
   4 大学基礎教育の二〇世紀的変容
   5 人文社会系は、なぜ役立つのか
第三章 二一世紀の宮本武蔵
   1 大爆発する大学をとりまく危機
   2 大綱化・重点化・法人化──新自由主義のなかの大学改革
   3 誰が大学の危機を打開できるのか
   4 改革は、どこに向かうのか?
   5 大学は、甲殻類から脊椎動物に進化する
   6 二一世紀の宮本武蔵
   7 宮本武蔵を育成する現場──授業改革
第四章 人生で三回、大学に入る
   1 大学は、人生の通過儀礼か?
   2 人生のなかで、大学を位置づける
   3 人生の転轍機としての大学
   4 入学者の多様化と学生を主体化する学び
   5 人文社会系は新しい人生に役に立つ
終章 普遍性・有用性・遊戯性

あとがき

参考文献
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Author:LogosOffice2
本ブログでは、2016年度から(18年度まで)開始の科学研究費による研究「拡張された自然神学の具体化としての「科学技術の神学」─東アジアの文脈で─」に関連した情報を掲載してきましたが、今回、その内容を現代キリスト教思想に関わるものに変更することになり、ブログ・タイトルを「現代キリスト教思想の諸問題」に変更することにしました。しばらくは、具体的な掲載内容をめぐり方向を探りたいと思いますが、徐々に本格化させてゆきます。

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