破局・技術・民主主義

 フクシマ以降、さまざまな議論がなされてきたが、今回はその一つ。

ジャン=リュック・ナンシー
『フクシマの後で──破局・技術・民主主義』
以文社、2012年。

序にかえて

Ⅰ 破局の等価性──フクシマの後で
Ⅱ 集積について
Ⅲ 民主主義の実相
  1 六八年─〇八年
  2 合致しない民主主義
  3 さらけ出された民主主義
  4 民主主義の主体について
  5 存在することの潜勢力
  6 無限なものと共通のもの
  7 計算不可能なものの分有
  8 有限なものにおける無限
  9 区別された政治
 10 非等価性
 11 無限なもののために形成された空間
 12 プラクシス
 13 実相

訳者解題 
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日本における原発関連文献リスト3

 3・11以降の東北の現場で、問題と実践的に取り組みつつ、発信を行っている人物の一人として、川上直哉さんを挙げることができるだろう。川上さんは、原発関連と言える著書を刊行しており、ここでは、次の2冊を紹介したい。

1.川上直哉
『被ばく地フクシマに立って──現場から、世界から』
Yobel社、2015年。

はじめに──核から解放される「出エジプト」の旅

Ⅰ 被ばく地フクシマに立って──現場から、世界から(1) 現場から
Ⅱ 被ばく地フクシマに立って──現場から、世界から(2) 世界からフクシマへ
Ⅲ 被ばく地フクシマに立って──現場から、世界から(3) フクシマから未来へ

おわりに

付録:私の信仰歴──3・11に立つ者が歩んできた道
資料①:WCC声明文《核から解放された世界へ》
資料②:日本基督教団声明文《東日本大震災国際会議宣言文》

初出一覧


2.川上直哉
『ポスト・フクシマの神学とフォーサイスの贖罪論』 (大森講座XXIX)
新教出版社、2015年。

はじめに──本書の目指すところと概要

第一部 フォーサイス神学の救済論
  1. フォーサイスの「渦巻き」
  2.東日本大震災とフォーサイスの救済論

第二部 フォーサイスの贖罪論
  3.フォーサイスの贖罪論の形成
  4.垂直運動と水平運動の接点

第三部 フォーサイスにおける神学・教会・社会
  5.「新神学論争」とその争点
  6.贖罪論的教会論

おわりに──被災地から、フォーサイスの神学と教会を



 基本はフォーサイス神学研究ですが、その視点として、東日本大震災、そして日本が据えられている。また、神学とキリスト教学との比較という論点から(キリスト教学との対比における神学の明確化)、有賀鐵太郎と今道友信が取り上げられている。
  

日本における原発関連文献リスト2

 以前にリストアップした、日本における原発関連文献(もちろん、キリスト教関係のもの)に、以下のものを追加します。

1.川端純四郎 『3・11後に生きるキリスト教──ブルトマン、マルクス、バッハから学んだこと』
 新教出版社、2013年。
「3・11後の世界」が私たちの現実
  キリスト者として生きるとは
  なぜ原発に反対するのか
  現実となってしまった事故
マルクスとの出会い
  社会に無関心だった青年時代
  マルクスを富み始めて信仰が変わった
ブルトマンから学んだもの
  ブルトマン教授の学問への姿勢
  ブルトマンの解釈上の立場にも問題が
バルトとブルトマン
  バルトの正しさ
  ブルトマンの正しさ
バッハの音楽から聞こえてくるもの
  バッハとカルヴァン派領主との友情
  カントール時代の不遇
  音楽的潮流の変化の中で
聖書は神の言葉か
  信徒の迷い
  さまざまな聖書
  人間の言葉で書かれた聖書
  神のふるまいと人間の証言
  翻訳された聖書
  この私に語りかける神
イエスとキリスト
  ブルトマンとブルトマン学派
  イエス伝承
  in nuceのキリスト論
  イエスからキリストへ
  信仰と現実
聖書記者の前理解
  前理解と歴史的・社会的条件
  創造の秩序
  救済史
理解可能の根拠──人間の定め
  なぜ理解できるのか 
  二つの定め──共同存在性と死の自覚性
  創造の秩序
  記述的言語と実存的関係言語
「3・11後の世界」を生きる
  受け入れてはならない死
  苦しむ者との共苦から苦しめるものへの怒りへ
  生活の質の再検討
  キリスト者として

あとがき

 自伝的な性格も感じられる文献です。全体が100頁弱のコンパクトな分量ですが。

2.近藤勝彦 『いま、震災・原発・憲法を考える──続・キリスト教の世界政策』
 教文館、2015年。

はじめに
第1章 大震災と不安の時代に起きる
第2章 東日本大震災を考える
第3章 エネルギー政策転換のカイロス─キリスト教神学の視点から福島原発事故を考える─
第4章 憲法問題とキリスト教信仰
第5章 平和を求める祈りと憲法第九条
第6章 「第二次世界大戦下における日本基督教団の責任についての告白」 ──その意味と問題
第7章 キリストにある生命の喜び──キリスト教的生命観と出生前診断
第8章 宗教心と心の教育
第9章 キリスト教学校の使命──震災と試練の時代にあって
第10章 世界伝道としての日本伝道

あとがき

 時期に適った出版です。ほかの著書と比べて、ややコンパクトなイメージです(200頁程度ではありますが)。  

 

原発事故と大震災

 3・11の東日本大震災は、福島原発事故を伴うことによって、日本の災害史上、きわめて深刻な事例として記録されることになるだろう。日本列島は、歴史的録画がたどれるだけでもこれまでも多くの災害に見舞われてきた。日本列島に生きるということは、災害のリスクの中で生きると言うことにほかならない。しかし、東日本大震災は、原発事故と連動することによって、その災害からの復興はこれまでの災害とは質的に異なる事態を背負い込むことになった。
 本ブログでは、「科学技術の神学」という視点から、原発・原子力の問題に注目してきたが、これまでに、キリスト教思想の範囲あるいは関連で、出版されてきた諸文献を一度集約する必要性があると感じてきている。実は、日本基督教学会の学会誌『日本の神学』57号について行われた先日の編集委員会で、「原発事故と大震災」に関わる文献をある程度まとめた形で論評・紹介する企画が採用され、わたくしがその担当になった。もちろん、まだどの諸文献を取り上げ、どのように論評するかは、未定であるが、京都大学で行っていると特殊講義とも関連づけて、具体化に向けた準備を進めたいと考えている。この年末年始が構想の出発点となる。

 しかし、こうした構想を温めつつも、東日本大震災により大きな被害を受けた東北地方は、大変な状況になっている。(実は、大震災がなかったとしても、東北の状況は厳しいものがあった。)
 本日の日経の電子版に、「集落・若者・学校が消える 迫る東北の危機」という記事が掲載された。「集落が消える」という状況は日本全国の共通現象であるが、東北の状況は一段と厳しい。ここに大震災と原発事故である。
 地域社会の危機は、宗教の危機である。地域が消滅するときは、寺院も教会も消滅せざるを得ない。
 とすれば、この問題は、キリスト教にとっても無関心ではいられないはずである。

日本における原発関連文献リスト1

 本ブログでは、これまで日本/日本語における原発関連の文献を紹介してきたが、キリスト教関連に限定して、文献リスト(わたくし所蔵の文献)をまとめてみたい。なお、3・11の大震災に関わる文献も一部含める。ただし、完全なリストというわけではないので、今後、随時、補足して行きたい。

・新教出版社編集部
 『原発とキリスト教──私たちはこう考える』
 新教出版社、2011年11月。

・日本基督教団救援対策本部編
 『東日本大震災を通して問われたこと
       現代日本の危機とキリスト教
       ──東日本大震災緊急シンポジウム』

 日本キリスト教団出版局、2011年12月。

・勝村弘也、新免貢 (関西進学塾編)
 『滅亡の予感と虚無をいかに生きるのか──聖書に問う』
  新教出版社、2012年3月。

・『基督教思想』編
 『原子力とわたしたちの未来──韓国キリスト教の視点から』
 かんよう出版、2012年11月。

・R.シュペーマン
 『原子力時代の驕り
     ──「後は野となれ山となれ」でメルトダウン』

 知泉書館、2012年12月。

・森野善右衛門
 『原子力と人間──3・11後を教会はどう生きるか』
 キリスト新聞社、2012年12月。

・荒井献・本田哲郎・高橋哲也
 『3・11以降とキリスト教』
 ぷねうま舎、2013年3月。

・日本クリスチャンアカデミー編
 北澤宏一、栗林輝夫
 『原子力発電の根本問題と我々の選択
        ──バベルの塔をあとにして』

  新教出版社、2013年10月。

・福嶋裕子 大宮謙 左近豊 スコット・ヘイフマン
 『3.11以降の世界と聖書
        ──言葉の回復をめぐって』

 日本キリスト教団出版局、2016年3月。

・富坂キリスト教センター編
 『原発と宗教──未来世代への責任』
 新教出版社、2016年8月。

・日本カトリック司教協議会『今こそ原発の廃止を』編纂委員会
 『今こそ原発の廃止を──日本のカトリック教会の問いかけ』
 カトリック中央協議会、2016年10月。

・日本クリスチャンアカデミー編
 姜尚中・上山修平
 『原子力発電と日本社会の岐路
       ──聖書と共に考える混成型共生社会と脱原発』

  新教出版社、2017年3月。

・栗林輝夫(西原廉太、大北優博編)
 『栗林輝夫セレクション1 日本で神学する』
 新教出版社、2017年6月。 
   Ⅲ 環境と技術の神学
    第8章 原発の神学
    第9章 キリスト教は原発をどう考えるか
         ──神学の視点から
   第10章 原発とテクノロジーの神学
   第11章 原発と田中正造の環境/技術の神学
         ──人間は自然の「奉公人」
    

プロフィール

LogosOffice2

Author:LogosOffice2
2016年度から(18年度まで)開始の科学研究費による研究「拡張された自然神学の具体化としての「科学技術の神学」─東アジアの文脈で─」に関連した情報を掲載します。以前に同様の趣旨でブログを開設していましたが、今回、新しいブログを始めました。徐々に本格化させてゆきます。

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