栗林神学の射程

 2015年に逝去された、栗林輝夫さんの論集が、栗林セレクションとして刊行されました。
 内容的には、本ブログで、紹介すべき論考が収録されています。原発や科学技術の問題、またアジアや日本の問題を、キリスト教神学という視点から、掘りさげて論じた論考です。こうしたテーマに関心のある方は、ぜひ読むべきものと思います。わたくしも、論文として公にされた際に読んだものが多くありますが、こうした論集にまとめられると、焦点が明確になった気がします。

栗林輝夫著(大宮有博・西原廉太編)
『日本で神学する』
栗林輝夫セレクション1
新教出版社、2017年。

I  解放の神学と日本
 第1章 解放神学の選択・神は貧しい者を偏愛する
    ――マルクス主義から民衆の宗教へ
 第2章 見よ、神は谷中にあり――田中正造の解放神学
 第3章 マルコムXと西光万吉――二人のマージナル・マンをめぐって
 第4章 日本の解放神学者 賀川豊彦――その神学遺産の継承をめざして

II  日本で神学する
 第5章 民話・ユング・聖書――『日本民話の神学』補論
 第6章 「帝国論」におけるイエスとパウロ
 第7章 日本で神学する

III 環境と技術の神学
 第8章 原発と神学
 第9章 キリスト教は原発をどう考えるか――神学の視点から
第10章 原発とテクノロジーの神学
第11章 原発と田中正造の環境/技術の神学――人間は自然の「奉公人」

解説 西原廉太
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中国における環境思想と宗教

 本ブログの中心テーマである、「環境、宗教・キリスト教、東アジア」に直接関係する文献として、今回は、次のものを紹介します。

James Miller, Dan Smyer Yu and Peter van der Veer (eds.),
Religion and Ecological Sustainability in China.
Routledge, 2017.

List of figures
List of contributors
Acknowledgements

Introduction: The diversity of eco-religious practice in Chaina
(Dan Smyer Yu with James Miller and Peter van der Veer)

Part I: Ecology and the classics
1 Ecology and the classics
(Nary Evelyn Tucker and John Grim)
2 Conceptualizations of earth and land in classical Chinese texts
(Deborah Sommer)
3 'The Great Virtue of Heaven and Earth': Deep ecology in the Yijing
(Joseph A. Adler)
4 'Hard-hearted' and 'soft-hearted' ecologies: A rereading of Confucian and Daoist classics
(Chen Xia and Peng Guoxiang with James Miller)
5 Gods and nature in Highest Clarity Daoism
(James Miller)
6 When the land is excellent: Village feng shui forests and the nature of lineage, polity and vitality in southern China
(Chris Coggins)

Part II: Imaging nature in modernity
7 Finding nature in religion, hunting religion from the environment
(Rebecca Nedostup)
8 Globalizations and diversities of nature in China
(Robert P. Weller)
9 Is Chinese popular religion at all compatible with ecology? A discussion of feng shui
(Ole Bruun)
10 'Ecological migration' and culturaladaptation: A case study of the Sanjianyuan Nature Reserve, Qinghai Province 
(Qi Jinyu)
11 Reverse environmentalism: Contemporary articulations of Tibetan culture, Buddhism and environmental protection
(Emily T. Yen)
12 Earthwork, home-making and eco-aesthetics among Amdo Tibetans
(Dan Smyer Yu)

Index

 これにキリスト教が関わるとどんな議論になるか。


 

東アジアの関係史6

 連続して紹介してきた、東アジアの関係史も、今回が最後になる。締めくくりは、日韓の社会・文化である。宗教は直接はこの文脈に位置するはずであるが、やはりなかなか主題化されることはないようである(第一一章は別にて)。

磯崎典世・李鍾久編『日韓関係史 1965-2015 Ⅲ社会・文化』東京大学出版会、2015年。
刊行にあたって
序論 社会・文化領域における日韓関係の五〇年 (磯崎典世・李鍾久)

Ⅰ 社会レベルの日韓関係の軌跡と断面
 第一章 日韓関係と社会文化的な相互作用 (李鍾久)
 第二章 日韓市民社会における相互認識 (磯崎典世)
 第三章 在日朝鮮人からみる日韓関係──〈国民〉を超えて (文京洙)
 第四章 日本の日韓会談反対運動とその内在的批判──社会党、総評、共産党を中心に (大畑裕嗣)
 第五章 歴史認識問題の展開に見る日韓関係 (木村幹)


Ⅱ 文化・知識の交流と日韓社会のダイナミズム
 第六章 日韓文化と「反日」論理の変容──「倭色文化」批判言説の弱化 (李志遠)
 第七章 大衆文化を通して見た日韓交流──オタク文化の事例を中心に (金孝眞)
 第八章 韓国と日本の環境運動と知識の交流 (具度完)

Ⅲ 日韓社会文化の諸問題と相互作用
 第九章 ジェンダーで日韓をみるということ──少子化、女性、超高齢社会 (瀬地山角)
 第一〇章 非正規雇用の日韓関係史と日韓比較──被雇用者の分類枠組の伝播、土着化、そしてブーメラン化 (有田伸)
 第一一章 授業を通じた日韓教育交流──「一人の子どもも切り捨てない教育」を目指して (崔圭承)
 第一二章 韓国における日本系宗教と日本における統一教会──文化現象としての両国間の宗教文化の相互変容 (林慶澤)

Ⅳ 地域社会・フィールドワークからの視点
 第一三章 最前線・九州における日韓地方間交流 (加峯隆義)
 第一四章 観光交流からみた日韓関係──対馬の韓国人観光を中心に (中村八重)
 第一五章 自治体交流と市民交流──富川市と川崎市の交流事例を中心に (李時載)
 第一六章 日韓間人類学交流と韓国人類学の日本研究 (朴東誠)
 第一七章 日本の人類学者の韓国認識──一九七〇年代初頭以降のフィールドワークと民族史的知識の蓄積 (本田洋)
 
あとがき
執筆者紹介
事項索引
人名索引

 これまでの東アジアの関係史を踏まえた「宗教あるいは宗教文化」の関係史・交流史を描くとどうなるだろうか。

東アジアの関係史5

「日韓関係史」の2回目、今回は「経済」です。ここでの交流は、世界的な帝国への移行の中で、どのような位置を占めているのだろうか。

安倍誠・金都亨編『日韓関係史 1965-2015 Ⅱ経済』東京大学出版会、2015年。
刊行にあたって
序論 日韓経済関係の歴史と未来 (金都亨・安倍誠)

Ⅰ 日韓経済関係五〇年の軌跡
 第一章 韓国の経済発展と日韓経済関係の展開 (金都亨)
 第二章 日本の対韓国経済協力──一方的援助から相互協力への模索 (安倍誠)
 第三章 対日請求資金と韓国経済開発 (曺晟源)

Ⅱ 貿易と投資からみた日韓関係
 第四章 日韓貿易関係の発展 (奥田聡)
 第五章 日本企業の対韓直接投資 (百本和弘)
 第六章 対日貿易不均衡と日本の対韓直接投資の産業組織別特性 (李基東)
 第七章 日韓外交・通商政策の対立と協力の構造 (金暎根)

Ⅲ 金融からみた日韓協力
 第八章 IMFによる金融支援の限界と日韓金融協力 (高安雄一)
 第九章 韓国通貨危機以降の日韓金融通貨協力 (朴盛彬)

Ⅳ 産業からみた日韓の競争と協力
 第一〇章 韓国の対日キャッチアップの成果と要因 (金龍烈)
 第一一章 半導体産業における日韓企業の興亡 (吉岡英美)
 第一二章 日本の対韓技術移転と部品素材産業の技術協力 (李鴻培)
 第一三章 日韓自治体間の産業技術交流と協力 (金仁中)

Ⅴ 企業・ヒトからみた日韓協力
 第一四章 浦項製鉄所建設における日韓エンジニアの交流 (深川博史)
 第一五章 在日コリアンの日華での経済活動とその役割 (朴一)
 第一六章 韓国財閥の競争力強化と「日本」要素──三星(サムソン)の事例を中心に (柳町功)
 第一七章 日本の総合商社の韓国ビジネス変遷 (藤田徹)
 第一八章 日韓企業間協力の諸相 (李亨五)

あとがき
執筆者紹介
事項索引
人名索引

東アジアの関係史4

日本を起点とした「東アジアの関係史」としては、当然、「日台」「日中」に続いて、「日韓」が問題となる。ここで連続して紹介している、「東アジア関係史」でも、続いて「日韓関係史」が企画され、これは、3巻本となる。3回にわけて紹介したい。まずは、政治から。


本宮正史・李元徳編『日韓関係史 1965-2015 Ⅰ政治』東京大学出版会、2015年。
刊行にあたって
序論 構造変化に直面し漂流する日韓関係 (本宮正史)

Ⅰ 日韓協力の軌跡とその諸相
 第一章 日韓関係一九六五年体制の軌跡──過去と現在の照明 (李元徳)
 第二章 日韓外交協力の軌跡とその現在的意義 (本宮正史)
 第三章 国家戦略と市民受容の整合性から見る日韓関係五〇年 (朴喆煕)
 第四章 日韓自治体間協力の展開──姉妹都市提携の戦略 (大西裕)
 第五章 日韓政策コミュニティの生成と変化 (崔喜植)

Ⅱ 国際政治の中での日韓関係し
 第六章 戦後日韓関係と米国──日米韓国トライアングルの変容と持続 (李鍾元)
 第七章 韓国の外交と日韓安保関係の変容──一九六五─二〇一五 (朴栄濬)
 第八章 中韓関係の変化と日韓関係──「二つの朝鮮」、日韓基本条約の解釈をめぐって (朴正鎮)
 第九章 独島問題と日韓関係──一九六五─二〇一五 (玄大松)
 第一〇章 日韓関係における「境界問題」──「竹島・独島問題」の「現状」をめぐるダイナミズム (浅羽祐樹)
 第一一章 海洋をめぐる日韓関係五〇年 (趙胤修)

Ⅲ 歴史問題への取り組み
 第一二章 日韓諸条約の評価をめぐる日韓関係──基本条約第二条、請求権協定第二条一を中心に (古澤文寿)
 第一三章 歴史問題と日韓関係 (南相九)
 第一四章 民主化の代償──「国民感情」の衝突・封印・解除の軌跡 (浅野豊美)
 第一五章 個人請求権問題をめぐる日韓関係──葛藤の過程と原因 (張博珍)
 第一六章 日韓条約以後の「在日朝鮮人問題」の展開 (外村大)

あとがき
執筆者紹介
事項索引
人名索引

 この数年の変化も著しい。
プロフィール

LogosOffice2

Author:LogosOffice2
2016年度から(18年度まで)開始の科学研究費による研究「拡張された自然神学の具体化としての「科学技術の神学」─東アジアの文脈で─」に関連した情報を掲載します。以前に同様の趣旨でブログを開設していましたが、今回、新しいブログを始めました。徐々に本格化させてゆきます。

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