東アジアの関係史5

「日韓関係史」の2回目、今回は「経済」です。ここでの交流は、世界的な帝国への移行の中で、どのような位置を占めているのだろうか。

安倍誠・金都亨編『日韓関係史 1965-2015 Ⅱ経済』東京大学出版会、2015年。
刊行にあたって
序論 日韓経済関係の歴史と未来 (金都亨・安倍誠)

Ⅰ 日韓経済関係五〇年の軌跡
 第一章 韓国の経済発展と日韓経済関係の展開 (金都亨)
 第二章 日本の対韓国経済協力──一方的援助から相互協力への模索 (安倍誠)
 第三章 対日請求資金と韓国経済開発 (曺晟源)

Ⅱ 貿易と投資からみた日韓関係
 第四章 日韓貿易関係の発展 (奥田聡)
 第五章 日本企業の対韓直接投資 (百本和弘)
 第六章 対日貿易不均衡と日本の対韓直接投資の産業組織別特性 (李基東)
 第七章 日韓外交・通商政策の対立と協力の構造 (金暎根)

Ⅲ 金融からみた日韓協力
 第八章 IMFによる金融支援の限界と日韓金融協力 (高安雄一)
 第九章 韓国通貨危機以降の日韓金融通貨協力 (朴盛彬)

Ⅳ 産業からみた日韓の競争と協力
 第一〇章 韓国の対日キャッチアップの成果と要因 (金龍烈)
 第一一章 半導体産業における日韓企業の興亡 (吉岡英美)
 第一二章 日本の対韓技術移転と部品素材産業の技術協力 (李鴻培)
 第一三章 日韓自治体間の産業技術交流と協力 (金仁中)

Ⅴ 企業・ヒトからみた日韓協力
 第一四章 浦項製鉄所建設における日韓エンジニアの交流 (深川博史)
 第一五章 在日コリアンの日華での経済活動とその役割 (朴一)
 第一六章 韓国財閥の競争力強化と「日本」要素──三星(サムソン)の事例を中心に (柳町功)
 第一七章 日本の総合商社の韓国ビジネス変遷 (藤田徹)
 第一八章 日韓企業間協力の諸相 (李亨五)

あとがき
執筆者紹介
事項索引
人名索引
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東アジアの関係史4

日本を起点とした「東アジアの関係史」としては、当然、「日台」「日中」に続いて、「日韓」が問題となる。ここで連続して紹介している、「東アジア関係史」でも、続いて「日韓関係史」が企画され、これは、3巻本となる。3回にわけて紹介したい。まずは、政治から。


本宮正史・李元徳編『日韓関係史 1965-2015 Ⅰ政治』東京大学出版会、2015年。
刊行にあたって
序論 構造変化に直面し漂流する日韓関係 (本宮正史)

Ⅰ 日韓協力の軌跡とその諸相
 第一章 日韓関係一九六五年体制の軌跡──過去と現在の照明 (李元徳)
 第二章 日韓外交協力の軌跡とその現在的意義 (本宮正史)
 第三章 国家戦略と市民受容の整合性から見る日韓関係五〇年 (朴喆煕)
 第四章 日韓自治体間協力の展開──姉妹都市提携の戦略 (大西裕)
 第五章 日韓政策コミュニティの生成と変化 (崔喜植)

Ⅱ 国際政治の中での日韓関係し
 第六章 戦後日韓関係と米国──日米韓国トライアングルの変容と持続 (李鍾元)
 第七章 韓国の外交と日韓安保関係の変容──一九六五─二〇一五 (朴栄濬)
 第八章 中韓関係の変化と日韓関係──「二つの朝鮮」、日韓基本条約の解釈をめぐって (朴正鎮)
 第九章 独島問題と日韓関係──一九六五─二〇一五 (玄大松)
 第一〇章 日韓関係における「境界問題」──「竹島・独島問題」の「現状」をめぐるダイナミズム (浅羽祐樹)
 第一一章 海洋をめぐる日韓関係五〇年 (趙胤修)

Ⅲ 歴史問題への取り組み
 第一二章 日韓諸条約の評価をめぐる日韓関係──基本条約第二条、請求権協定第二条一を中心に (古澤文寿)
 第一三章 歴史問題と日韓関係 (南相九)
 第一四章 民主化の代償──「国民感情」の衝突・封印・解除の軌跡 (浅野豊美)
 第一五章 個人請求権問題をめぐる日韓関係──葛藤の過程と原因 (張博珍)
 第一六章 日韓条約以後の「在日朝鮮人問題」の展開 (外村大)

あとがき
執筆者紹介
事項索引
人名索引

 この数年の変化も著しい。

東アジアの関係史3

 前回は、「日中関係史」は、分量的な関係で紹介が半分で終わったので、今回は、残り半分、つまり2巻分を紹介する。テーマは、社会・文化と民間であり、もし、日中関係史に宗教を入れるなら、この部分になるだろう。しかし、残念ながら、そういう視点は見られない。

1.園田茂人編『日中関係史 1972-2012 Ⅲ社会・文化』東京大学出版会、2012年。
刊行にあたって
 序章 日中相互認識の四〇年──文化イベントにみる相互イメージの不定型化 (園田茂人)

Ⅰ 冷戦体制化と「日中友好」
 第一章 パンダがやってきた!(一九七二年)──中国の対日ソフト・パワー史 (家永真幸)
 第二章 「太平学校」とは何か(一九八〇年)──日中知的交流事業の紆余曲折 (小熊旭・川島真)
 第三章 進出か、侵略か(一九八二年)──日中歴史認識問題の変遷と課題 (川島真)
 第四章 歓迎、中野良子!(一九八四年)──映画による相互イメージの変転 (玉腰辰己)
 第五章 もう一つの天安門事件[中国では六・四事件と呼ぶ](一九八九年)ちゅう」──日中相互認識をめぐる報道フレームの転換 (高井潔司)

Ⅱ 錯綜するす利益とまなざし
 第六章 台湾・総統選挙の衝撃(一九九六)──日中関係を揺さぶる台湾ファクター (清水麗)
 第七章 酒田短期大学、閉校す(二〇〇二年)──日中留学交流秘史 (牧野篤)
 第八章 北京工人体育場の悲劇(二〇〇四年)──スポーツにみる日中関係史 (吉岡桂子・斎藤徳彦)
 第九章 大連、吹き荒れるストライキ(二〇〇五年)──日本人ビジネスマンが見た企業内摩擦の変遷 (園田茂人)
 第一〇章 〝池袋チャイナタウン〟構想に「待った」(二〇〇八年)──日本型共生に向けて (陳来幸)
 
総索引は、『日中関係史 1972-2012』(全三巻)を通した索引として、Ⅲ社会・文化に収める。

2.園田茂人編『日中関係史 1972-2012 Ⅳ民間』東京大学出版会、2014年。
刊行にあたって
Ⅰ 対立と摩擦を超えて
 序文 (園田牧人)

Ⅱ 井戸掘り人世代から見た「二〇一二年問題」
 1 政治家はナショナリズムをコントロールすべきだ  (福田康夫)
 2 四〇年前の日中友好報道は大誤算だった (田畑光永)
 3 日本の劣化が関係に変化をもたらした (福川伸次)
 4 民が官を促す時代 (岡﨑雄兒)
 5 それでも交流は続けるべきだ (笹川陽平)

Ⅲ 「民」が生み出す新たな日中関係
 1 「非接触型対抗」の誕生──尖閣問題は、いつ、どのように問題化したか (陳 嵩)
 2 大衆文化がつなぐ日本と中国──ファンダムの誕生は何を意味しているか (祝 方悦)
 3 国際観光新時代──旅行者が紡ぐ新たな日中関係 (陳 晶)
 4 見合い結婚から恋愛結婚へ──日中国際結婚が示唆する現実 (郝 洪芳)
 5 国家関係から市民関係へ──「市民的世界」の拡大と日中連携の可能性 (李 妍焱)

Ⅳ 日中関係四〇年を俯瞰する
 新たな日中関係にむけて (園田茂人・丸川知雄・高原明生)

 以上が、後半の2巻です。

東アジアの関係史2

 前回は、「日台関係史」であったが、続いて、企画されたのは、「日中関係史」である。1972年の日中国交正常化以降が扱われているが、以下紹介する四巻本の「日中関係史」の「刊行にあたって」で述べられているように、この企画に類似したものとしては、2008年に社会科学文献出版社(北京)刊行の『中日関係史 一九七八─二〇〇八』(同年に、東京大学出版会より翻訳出版)が存在する。この中国での企画がデータに詳しいのに対して、日本での企画ではデータ分析に重点が置かれたとのことである。

1.高原明生・服部龍二編『日中関係史 1972-2012 Ⅰ政治』東京大学出版会、2012年。
刊行にあたって
Ⅰ 冷戦体制と日本の台頭
 第一章 前史 一九四七─七一年 (大澤武司)
 第二章 国交正常化 一九七二年 (井上正也)
 第三章 日中航空協定交渉 一九七三─七五年 (福田円)
 第四章 平和友好条約締結交渉から対中円借款の供与へ (若月秀和)
 第五章 第一次教科書問題 一九七九─八二年 (江藤名保子)
 第六章 中曽根・胡耀邦関係と歴史問題 一九八三─八六年 (服部龍二)
 第七章 光華寮問題 一九八七─八八年 (小嶋華津子)
 第八章 六・四(第二次天安門)事件 一九八九─九一年 (三宅康之)
 第九章 天皇訪中 一九九一─九二年 (杉浦康之)

Ⅱ グルーバル化と中国の台頭
 第一〇章 冷戦終結後の日米安全保障体制と日中関係 一九九三─九五年 (増田雅之・中原明生)
 第一一章 橋本首相のユーラシア外交と江沢民主席の来日 一九九七─九八年 (江口伸吾)
 第一二章 二国間実務協力と東アジア地域協力の進展 一九九九─〇〇年 (益尾知佐子)
 第一三章 小泉内閣とナショナリズムの高揚 二〇〇一─〇二年 (加茂具樹)
 第一四章 胡錦濤政権と新思考外交の挫折 二〇〇三─〇五年 (伊藤剛)
 第一五章 戦略的互恵関係の模索と東シナ海問題 二〇〇六─〇八年 (阿南友亮)
 第一六章 民主党政権誕生以降の日中関係 二〇〇九─一二年 (伊藤剛・高原明生)

戦後日中関係年表

2.服部健治・丸川知雄編『日中関係史 1972-2012 Ⅱ経済』東京大学出版会、2012年。
刊行にあたって
Ⅰ 日中経済関係の概観
 第一章 国交正常化以前の日中経済交流  (嶋倉民生)
 第二章 日中経済関係四〇年の概観 (服部健治)
 第三章 外交官からみた日中経済交 日中の経済外交を回顧して (松本盛雄)
 第四章 通商関係からみた日中経済関係 (波多野淳彦)

Ⅱ 国交正常化実現から改革・開放の始動まで 一九七二~一九七八年
 第一章 概説 (服部健治)
 第二章 広州交易会の変遷 (小島末夫)
 第三章 日中長期貿易取り決めの締結 (小島末夫)
 第四章 主な業界の動き 

Ⅲ 改革・開放の実行から南巡講話まで 一九七九~一九九一年
 第一章 概説 (服部健治)
 第二章 対中ODAの開始 (関山健)
 第三章 プラント契約問題 (小島末夫)
 第四章 貿易不均衡への対応 (小島末夫)
 第五章 主な業界の動き

Ⅳ 南巡講話から中国のWTO加盟まで 一九九二~二〇〇〇年
 第一章 概説 (服部健治)
 第二章 大連興業団地 (梅村賢二)
 第三章 アジア通貨危機の影響 (大西義久)
 第四章 投資現場が直面した課題 (服部健治)
 第五章 広東国際信託投資公司(GITIC)の破産 (梅村賢二)
 第六章 知的財産権の侵害 (日高賢治)
 第七章 主な業界の動き 

Ⅴ WTO加盟以降の日中経済関係 二〇〇一~二〇一二年 
 第一章 概説 (丸川知雄)
 第二章 個別日系企業をめぐるトラブルとその背景 (渡辺浩平)
 第三章 経済摩擦 初の対中セーフガード、対日アンチダンピング (小島末夫)
 第四章 食の安全問題 (丸川知雄)
 第五章 環境協力 (長瀬誠)
 第六章 研修・技能実習生をめぐる日中関係 (岡室美恵子)
 第七章 対中ODA(円借款)の終了 (関山健)
 第八章 主な業界の動き

Ⅵ 今後の日中経済関係
 終章 中国の経済大国化と日中関係 (丸川知雄)

あとがき
日中経済関係年表

 今回は、2巻目まで。  
 

東アジアの関係史1

 東アジアの諸国・諸地域は、古代から現代に至るまで、さまざまな相互交流を行ってきた。宗教文化もこの交流の一つの側面をなしている。こうした動的連関を考える上で、最近議論される「関係史」(現代史として)という視点は、示唆的であり、本ブログで東アジアのキリスト教を論じる際に、参照すべきものと思われる。

川島真、清水麗、松田康博、楊永明
『日台関係史 1945-2008』
東京大学出版会、2009年。

序章 戦後日華・日台関係を概観する (川島真・松田康博)

第Ⅰ部 日華関係の展開と終焉
  第一章 日華・日台二重関係の形成──一九四五─四九年 (川島真)
  第二章 日華関係正常化の進行──一九五〇─五七年 (川島真)
  第三章 日華関係再構築への模索とその帰結──一九五八─七一年 (清水麗)
  第四章 日華団交と七二年体制の形成──一九七二──七八年 (清水麗)

第Ⅱ部 国際構造変動下の日台関係
  第五章 日台関係の安定化と変化への胎動──一九七九─八七年 (松田康博)
  第六章 台湾の民主化と新たな日台関係の模索──一九八八─九四年 (松田康博)
  第七章 安全保障の二重の三角関係──一九九五─九九年 (楊永明)
  第八章 東アジアの構造変動と日台関係の再編──二〇〇〇─〇六年 (楊永明) 
  終章  継続と変容のなかの日台関係 (清水麗) 

引用・参照注
あとがき

日台関係年表
日台関係文献目録
索引
執筆者一覧

 「日台関係史」は、今後本ブログで紹介するように、「日中関係史」「日韓関係史」の企画に繋がっていく。これらでは、関係史が、政治史以外の領域に拡大して論じられているが、今回の『日台関係史』は、もっぱら政治史に集中している。これは古典的な歴史観とも言えるが、その中で関係史が独自の方法論・視点となり得るかは、やや疑問である。

プロフィール

LogosOffice2

Author:LogosOffice2
2016年度から(18年度まで)開始の科学研究費による研究「拡張された自然神学の具体化としての「科学技術の神学」─東アジアの文脈で─」に関連した情報を掲載します。以前に同様の趣旨でブログを開設していましたが、今回、新しいブログを始めました。徐々に本格化させてゆきます。

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